商談中、
ふと訪れる沈黙。
数秒、
あるいは十数秒。
その瞬間、
多くの営業の頭に同じ感情が浮かぶ。
「何か言わないと」
「気まずい」
「間が悪い」
そして、
つい口を開く。
だがこの瞬間、
営業は“ある重要なもの”を失っている。
沈黙が怖いのは営業だけ
顧客は沈黙を問題だと思っていない
多くの営業が誤解しているが、
沈黙を気にしているのは
ほぼ営業側だけだ。
顧客は、
・考えている
・整理している
・判断材料を並べている
ただそれだけ。
営業が沈黙を埋める理由の正体
商談が止まった気がする錯覚
沈黙=停滞
沈黙=失敗
こう思い込んでいると、
沈黙を「修正すべきもの」と感じてしまう。
だが実際は逆だ。
沈黙は商談が“動いている”サイン
顧客の頭の中で起きていること
沈黙の時間、
顧客はこんなことを考えている。
・自分に合っているか
・他と比べてどうか
・本当に必要か
この時間こそ、
購買に最も近い瞬間だ。
沈黙を埋めた瞬間に失うもの① 思考の主導権
営業が話す=顧客が考えるのをやめる
沈黙に耐えられず話し始めると、
思考の主導権が営業に戻る。
すると顧客は、
「聞く側」
「評価する側」
に戻ってしまう。
沈黙を埋めた瞬間に失うもの② 本音の芽
本音は沈黙の後に出る
顧客の本音は、
すぐには出てこない。
一度沈黙があり、
少し考えた後に、
ぽつりと出てくる。
その直前で営業が喋ると、
本音は引っ込む。
沈黙を埋めた瞬間に失うもの③ 信頼の余白
「待ってくれた」という感覚
沈黙を許されると、
顧客はこう感じる。
「急かされていない」
「ちゃんと考えていい」
この安心感が、
信頼になる。
トップ営業ほど沈黙を“待つ”
埋めない。眺める。
トップ営業は、
沈黙を問題と捉えない。
・今は考える時間
・今は整理のフェーズ
そう理解している。
沈黙を埋める営業の典型行動
余計な説明を足す
・さっき言ったことを繰り返す
・別の事例を足す
・割引や条件を出す
これらはすべて、
沈黙が怖くてやっている。
説明を足すほど、決断は遠のく
情報過多は判断を鈍らせる
顧客が考えている最中に、
新しい情報を足すと、
・判断基準がズレる
・比較が増える
・決められなくなる
結果、
保留になる。
沈黙を恐れる営業の共通点
商談を“自分が進めるもの”だと思っている
トップ営業は違う。
商談は、
顧客の中で進むもの
だと知っている。
沈黙=失注ではない
むしろ逆のケースが多い
沈黙が長い商談ほど、
受注率が高いケースは珍しくない。
なぜなら、
ちゃんと考えているから。
沈黙を活かせる営業がやっていること
表情と姿勢だけ整えている
・焦らない
・視線を外しすぎない
・相手の反応を見る
話さないが、
放置もしない。
沈黙の後に出る一言の価値
「実は…」は沈黙の産物
沈黙のあとに出る言葉は、
営業にとって最も価値が高い。
そこに、
・不安
・懸念
・本当の条件
が含まれている。
沈黙を壊す営業は、会話を壊す
顧客の流れを遮断している
考えかけていた流れを、
営業の言葉で断ち切ってしまう。
これを何度もやると、
顧客は考えるのをやめる。
沈黙に耐えられないのは経験不足ではない
不安の正体は“自信のズレ”
多くの場合、
・売らなきゃ
・失敗できない
この意識が、
沈黙を怖くする。
トップ営業ほど沈黙を歓迎する理由
沈黙は「任せてもらえた」サイン
顧客が沈黙するのは、
「この人の前なら考えていい」
と思っている証拠でもある。
沈黙を埋めたくなった瞬間にやるべきこと
何も言わない、を選ぶ
そして心の中で確認する。
・今、顧客は考えているか
・この沈黙は必要か
答えがYESなら、
待つ。
沈黙を怖がらなくなった瞬間、商談は変わる
営業が楽になる
沈黙を埋めなくなると、
・余計な説明が減る
・押し売り感が消える
・商談が短くなる
結果、
受注率が上がる。
沈黙は“空白”ではない
最も濃い時間
話していない時間こそ、
商談が進んでいる。
まとめ
営業が
「沈黙を埋めたくなった瞬間」に
失っているものは明確だ。
・顧客の思考
・本音の芽
・信頼の余白
沈黙は敵ではない。
最大の味方だ。
売れる営業ほど、
話さない時間を恐れない。
次の商談で、
沈黙が来たら――
一度、待ってみてほしい。

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