営業を続けていると、
ある瞬間からこんな感覚が生まれます。
- 数字は達成している
- 評価もされている
- 生活も安定している
それなのに、
「やり切った感じがしない」
これは怠けでも贅沢でもありません。
営業という仕事の構造上、一定のフェーズで必ず起きやすい現象です。
本記事では、
営業で「やり切った感」が消える瞬間の正体を、
感情論に寄らず、構造とプロセスで分解します。
そもそも「やり切った感」とは何か
達成感とは別物
多くの人が混同しますが、
- 達成感
- やり切った感
は別のものです。
やり切った感の正体
やり切った感とは、
- 自分の力を使い切った感覚
- 納得できる努力をした実感
- 「これ以上やれることはなかった」と思える状態
つまり、
結果ではなく、プロセスへの納得感です。
やり切った感が消える①「成果がルーティン化した瞬間」
最初は全力だった
営業を始めた頃は、
- 1件の受注
- 1つの契約
に強い達成感がありました。
しかし、慣れが起きる
経験を積むと、
- 同じ流れ
- 同じ提案
- 同じ成功パターン
で成果が出るようになります。
問題点
成果は出ているのに、
- 力を出し切った感じがしない
- 「作業が終わった」感覚に近い
やり切った感は、
難易度と比例するため、ここで消え始めます。
やり切った感が消える②「目標が外部起点になった瞬間」
誰の目標か分からなくなる
営業を続けるほど、
- 会社の目標
- 上司の数字
- チームKPI
が増えていきます。
起きているズレ
数字は追っているが、
「これは自分が本当に追いたいものか?」
という問いに答えられなくなります。
結果
- 達成しても安心しかない
- 喜びが薄い
- 次の数字が重い
やり切った感は、
自分起点の目標が消えた時に消失します。
やり切った感が消える③「評価が前提条件になった瞬間」
成果が“特別”でなくなる
営業成績が安定すると、
- 取れて当たり前
- 達成して当然
という扱いに変わります。
本人の内側で起きること
- 達成=評価されない
- 未達=責められる
この構造では、
達成してもプラスにならない
という感覚が積み上がります。
やり切った感が消える④「役割が増えすぎた瞬間」
プレイヤー以外の仕事が増える
営業として結果を出すと、
- 後輩指導
- 調整業務
- 会議・報告
が増えます。
問題点
- 営業に集中できない
- 力を分散させている感覚
結果、
全力を出し切った感覚が持てなくなる。
やり切った感が消える⑤「成長実感が止まった瞬間」
できることが増えなくなる
あるレベルに達すると、
- 新しい壁が少ない
- 学びが減る
- 驚きがなくなる
結果
- 昨日と同じ自分
- 去年と似た仕事
やり切った感は、
成長の実感と強く結びついているため、ここで消えます。
やり切った感が消える⑥「限界までやらなくなった瞬間」
無意識のセーブ
経験を積むほど、
- 無理をしない
- 効率を重視
- 失敗を避ける
ようになります。
問題点
効率は上がるが、
- 全力を出し切った経験
- 限界に挑んだ感覚
が減っていきます。
精神論:やり切った感は“快適さ”と引き換えに失われる
ここで一つだけ精神論を入れます。
やり切った感は、
常に快適さとトレードオフです。
- 安全
- 慣れ
- 余裕
が増えるほど、
- 緊張
- 挑戦
- 没頭
は減っていきます。
これは劣化ではなく、
フェーズの変化です。
やり切った感が消えた時にやってはいけないこと
① 仕事を辞めると即断する
原因を分解しないままの決断は、
再現します。
② モチベーション論で解決しようとする
気合では戻りません。
③ 無理にやる気を出そうとする
やり切った感は、
設計の問題です。
やり切った感を取り戻すための現実的アプローチ
① 難易度の高い目標を一つ入れる
数字でなくても構いません。
- 新市場
- 新商材
- 新役割
② 目標を「自分起点」で再設計する
会社目標とは別に、
- 自分が納得できる指標
を持つ。
③ 役割を整理する
- 何をやらないか
- どこまでやるか
を明確にする。
④ 成果が出ない挑戦をあえて入れる
短期で結果が出ない挑戦は、
- 成長実感
- 没頭感
を取り戻します。
⑤ 一度、意図的に立ち止まる
走り続けていると、
- 違和感
- ズレ
に気づけません。
やり切った感が消えるのは「終わり」ではない
重要なのは、
やり切った感が消える=営業人生の終わり
ではないということです。
次のフェーズへの合図
それは、
- 成果を出すフェーズ
- 生き残るフェーズ
を越え、
「どう働くか」を再設計する段階に入ったサインです。
まとめ|やり切った感は設計し直せる
営業で「やり切った感」が消えるのは、
- 心が弱くなったから
- やる気がなくなったから
ではありません。
- 難易度
- 目標起点
- 役割
- 成長曲線
これらが、今の自分とズレただけです。
やり切った感は、
もう一度“挑戦を設計し直せば”必ず戻ります。

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