営業が説明を削った瞬間に売れるようになる理由

営業の世界では長年、「説明力」が重要だと言われ続けてきた。
分かりやすく伝えること、丁寧に説明すること、情報を不足なく渡すこと。
これらは一見、正しい営業行動に見える。

しかし現場では、説明が上手くなるほど売れなくなる営業が後を絶たない。
一方で、成績が安定している営業ほど、驚くほど説明が少ない。

この違いは才能ではない。
説明に対する考え方の違いだ。


説明を増やすほど売れなくなる構造

説明が増える本当の理由

営業が説明を増やしてしまう背景には、不安がある。

・誤解されたくない
・後からクレームになりたくない
・「説明不足」と言われたくない
・できる営業だと思われたい

説明は顧客のためというより、
営業自身の不安を消すために増えていく。

情報が増えるほど決断は遠のく

説明が増えるほど、顧客の頭の中ではこうなる。

・重要な話が分からなくなる
・比較ポイントが増える
・決断の責任が重く感じる

結果として出てくる言葉は、
「一度持ち帰ります」
「社内で検討します」

これは検討ではなく、停止だ。


説明過多は「理解」を奪う

営業が思う理解と顧客の理解は違う

説明が多い営業ほど、
「ちゃんと理解してもらえていない」と感じやすい。

だが実際には、
理解できなくなっているのは顧客側だ。

人は情報が多すぎると、
本質を見失う。

「全部説明する」は思考の放棄

説明を削らない営業は、
顧客にこう求めている。

「たくさんある情報の中から、自分で重要なものを選んでください」

これは親切ではない。
判断の放棄だ。


売れる営業ほど「全部説明しない」

顧客が本当に知りたいこと

顧客が知りたいのは、細かい機能ではない。

・自分に関係があるか
・不安は解消されるか
・決めても大丈夫か

ここが分かれば、細部は後でいい。

説明を削るのは自信の表れ

説明が少ない営業ほど、
余裕があり、落ち着いて見える。

これは無意識に
「この人は売り急いでいない」
「自信がある」
と伝わる。


説明を削ると顧客が考え始める

説明が多いと顧客は「聞き役」になる

説明過多の商談では、
顧客は聞くだけの存在になる。

聞いている間、人は決断しない。

説明を削ると主体が逆転する

説明を止めた瞬間、
顧客は自分で考え始める。

・自分に当てはまるか
・この選択は正しいか

この瞬間、提案は
「営業の話」から「自分の選択」に変わる。


説明を削れない営業の共通点

沈黙が怖い

説明を削れない最大の理由は、沈黙への恐怖だ。

沈黙があると、
「何か言わなければ」
と感じてしまう。

反論が怖い

説明を止めると、
相手から質問や反論が来るかもしれない。

それを恐れて、
先回りして説明を重ねてしまう。


説明が多い営業ほど説得になる

説得と納得の違い

説明が増えると、
営業は無意識に説得モードに入る。

「だから良いんです」
「ここが他社より優れていて」

だが顧客が求めているのは説得ではない。
自分で納得することだ。

納得は説明では生まれない

納得は、
考える時間と余白から生まれる。

説明で埋め尽くされた商談に、
納得は生まれない。


説明を削れる営業は前提を揃えている

前提が揃えば説明はいらない

売れる営業は、
説明の前に前提を揃えている。

・何をゴールと考えているか
・何を一番不安に思っているか
・何が決断を止めているか

ここが揃えば、
細かい説明はほとんど不要になる。


説明を削った瞬間に信頼が生まれる理由

説明を削ると、顧客はこう感じる。

・売り込まれていない
・考える余地をくれている
・この人は余裕がある

説明が少ない=雑、ではない。
説明が少ない=整理されていると伝わる。


説明を削るために今日からできること

一つ説明したら止まる

説明を一つしたら、必ず止まる。
沈黙が来ても、足さない。

反応があった部分だけ説明する

相手の表情や質問が出た部分だけ、
ピンポイントで補足する。


営業は「説明する仕事」ではない

営業は、
説明が上手くなる仕事ではない。

説明をしなくても伝わる状態を作る仕事だ。

説明を削れるようになったとき、
営業は説得から解放され、
自然に選ばれる側に回る。


まとめ

営業が売れない原因は説明不足ではない。
説明しすぎていることだ。

説明を削ることで、
顧客は考え、
自分で答えを出し、
決断に近づく。

話す量を減らす勇気。
沈黙を受け止める余裕。
相手を信じる姿勢。

これが揃った瞬間、
営業は一段上のステージに上がる。

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